ひとつのきがかり
おれには昔から、ひとつの大きな心配があった。
おれは普通レベルにないのではないか。
小学校で普通にモノカキそろばんができるだろうか。そんなことだった。いつも後ろでちまちましておどおどしているだけではないのか。ちびで背がのびないのではないか。
普通に成長していくのだろうか。大きな不安があった。特殊な病気ではないのか。どうにも不安なこどもの頭の中のことが詰まっていたようだ。
みんなそうだったのではないか。でも、おれのともだちはそんな気配は微塵もなかったような気がする。いつもひょうきんでおどけてひとを笑わせていたなんだから、そんなおれみたいな弱虫ではなさそうだ。
こんなおれは、いったい世の中で何ができるのか。なにもできないのではないか。兄弟のなかでもおれは一番ちいさくてなんともだれも期待もしないだろう。
ただ、癇癪持ちで内弁慶でしかないのだ。困りものだ。
たったひとつのきがかりは、おれはこんな風に普通ではないのかということだった。ずっと大きくなって大人になっても、そんな記憶がどこかにある。
でも、なんかいままでの障害になったことなんてなかった。単なるこどもの思考回路の検証のようなことだったのだろうか。
今、ほんとうに普通にこの世とおさらばできるのか・・・というのが気がかりではある。
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