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国破れて山河あり

なんとも懐かしい響きだ。

国はひとがつくったものだ。

山河は自然のものだ。

今あるものがなくなるとそこには自然が戻ってくる。

チェルノブイリの森・・・という本がある。

住民が放射能汚染の影響で立ち退き、ひとのいなくなった土地は森に戻っているというのだ。自然があり、四季があり、大地が放射能を取り込み、それでもひとがいないから、自然そのものがその自然の力でよみがえっているというのだ。

どう解釈したらいいのか悩ましい問題である。

そして、現実に森がよみがえり、自然が自然に育まれているという状況がある。

人類の残した悪影響もその自然は取り込んでなんの文句も言わない。だまって受け入れる。それが、本当の自然なのだってことか。

だいたい、人類の影響よりも、大自然の変化のほうがはるかに大きな天変地異をもたらしてきている歴史があるのは、当然だ。

数十億年をかけて築かれてきたものだろう。その過程で恐竜が消滅し、人類が繁栄し、そこで放射能漏れなどの事故を起こしても、あと五十億年ぐらいで、太陽系という宇宙の一部が消滅するなら、それはなにかの我儘のようであり、ほんとうに小さな力しかもたない存在であることだろうか。

どんなに繁栄しようと、宇宙時間軸では、ほんの0.001秒ぐらいのことでしかない人類の騒がしさなのか・・・。

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