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一億総評論家時代の到来

白熱の議論が渦巻く会場へと足を入れる。

そこは、なんというのか。実態のない世界である。

議論のための議論、空論というものだ。

いかに面白おかしく、物事を評論の対象へと導くかが、その評価の分かれ目になる。

評価の善くないものは、すぐに淘汰される。

また、その場に戻ることは不可能だ。

一度、実態のないバーチャルの世界で過ごすと、からだがあること自体、中身があること自体、成長とどうのこうのと現実のことを話題にすることなんて、もう無駄以外のなにものでもないのだ。

マスコミでどう取り上げられるか、その評論に如何に中心となるか、それだけなのだ。

まったく実態のないものだ。

バクチという世界だ。論争でもない。だいたい、そのもととなる実生活がないのだから、単なる脳みその評論大会なのだ。

人工血液で栄養を補給するシステムの中で、脳みそはまるで生け花のようになって議論し続けるというイメージだ。

モノづくりという原点を私たちは大事にしなければ、いつかはそんなバーチャルだけの世界になる。

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