小さなことで勝つことがネゴの神髄だ
交渉術。ネゴシエーターは考える。
あの難しいロシアのタフな外相にどう立ち向かうかを、考える。
まっとうな真正面からの勝負では、すでに負けている。
だが、百戦錬磨のつわものも、弱点はある。
いや、いや、弱ではなく強いところだ。
あのつわものの強いところは、交渉上手なところだ。
では、そのうまいところに入り込むことか。
助けてもらえばいいといいうことだろうか。
おねがいします。ちょっと、トイレをかしてください。
どうか、お昼を食べさせてください。
ペンとノートを貸してください。
電話を使ってもいいですか。
水を飲ませてください。
ありがとうございます。
小さなことがらをすべて相手は受け入れてくれた。なんとこころの広いひとだと感心した。
それで最後にもう一つお願いをした。ぜひ、私どものこの交渉の願いをかなえてくださいと、そうお願いをした。
そうしたら、ああ、いいよ。そうなった。なんともこころの広い、素晴らしいネゴシエーターなのか。私もいつか、こんな風なネゴを担当してみたい。
神髄を極めたようだ。
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