砂漠地帯での生活に欠かせないもの。らくだとろばだという。らくだがいれば何週間でも旅を続けられると地元の人が言っていた。それだけ、厳しい自然に適応した動物なのだ。らくだが長距離用とすれば、短距離の小型トラックはろばである。1インチ径ぐらいで3インチ長さの棒一本でコントロールする。荷物は何でも運んでいる。建設用のブロック、飲料用の水タンク、壊れた車の残骸、ヒト、家具、ドア、食糧など・・・。
らくだは日本円で十万円ぐらい(ヒトコブらくだはほとんどが家畜化されている)、ロバは一万円ぐらいという。ろばは荷物を運んだいないときだけ解放されている。口先に餌袋をさげている。おとなしい。だれかがろばにはなりたくないといったのを思い出した。たしかに眼は従順であり、じっとしている。なにか切なさを理解しているような雰囲気だ。先に述べた棒でコントロールされるのだが、尻の皮の一部に血がにじんでいるのがいた。まだ若いのかもしれない。まるでどこかのサラリーマンのような感じを受ける。なぜなら、その土地の経済を支えているから・・・。もちろんろばは何もしらないのだが・・・。
らくだは頭がいいと私は思う。でもかなり以前に哺乳類の中で分化したらしい。だから、発情期以外はほとんど何もないという。おとなしいという。野生のらくだはふたこぶらくだの種類が800頭ぐらいで絶滅危惧種になっている。家畜化が進んだひとこぶらくだが、売られるとき何か悲しそうに鳴いていた。前足の関節を曲げたまま縛られてすわっていた。多い時は5、6頭大きな邸宅の塀の外に置かれていた。ラクダ商人のうちのようだ。
らくだとろば、そのほかやぎ、にわとり、犬はもちろん放し飼いである。ねこはめったにみないが時々見る。砂にまみれたねこの死骸が最近いった海岸にもあったし、街仲の道路脇の砂の中に埋もれていた。乾燥しきっていた。この国は全体がモスレムなのでぶたはいない。酒も飲まない。飲酒は宗教上の悪であり、そういう行為は神を冒涜するという考えのようだ。よくわからないがだれも酒を飲みたいとかいう思いも考えもないのは明白だ。どうしてアルコールなんか飲むのか。そういうイメージが彼らの目を通して頭の中にあるのが見えるようだ。どうも法律で禁止されたドラッグの1種という見方だ。健康のためではないようだ。というのはたばこはよく吸っているから、たばこは罪悪ではないのだ。
らくだとろばの支える経済は、いつの間にか。サッカーに熱狂し、携帯を駆使して駆け回る社会に変化している。砂漠の中の幹線道路は整備されてきた。通信用の鉄塔はソーラーパネルで動いている。でも水が・・・。川をせき止めた巨大ダムがある。もうすぐ生活基盤は整いそうだ。でも何かが足りないような気がする。
らくだとろばに対する信頼性と比べると、ヒトが作りはじめた砂漠のインフラは脆弱だ。携帯は地方では充電できない。大きなバッテリを持ち歩くわけにはいかない。4駆がどこにもあるわけではない。砂漠ではトヨタのランクルが一番だという。でもトヨタはらくだをモデルにした車を開発しているとも聞いた。やはり、自然の中では先人の教えをないがしろにしてはいけない。
フラジャイル。どうもこの言葉は好きではない。鋳物より、粘りのある鍛鋼品の方がいい。車もフロントガラスがイナヅマ状に亀裂があるのは怖い。破損防護用熱処理がされていない以前のモデルが多い。もちろん新しいトヨタのランクルは強力だ。仕事が終わって事務所に帰るとき、携帯電話のながら運転のウィメンドライバーの乗用車に左側面後部をぶつけられて半回転して止まった。JFK通りの交差点だった。わっと人だかりがして渋滞した。けがはどちらもない。後部バンパーの強化プラスティック製で衝撃を吸収したようだ。ポリスがきた。レンタカー会社の社長、保険会社の調査員が来た。ポリスの指示でドライバーが交差点の横に車を移動した。2時間ぐらいそこで待機した。もう役所の事務所は閉まっている。担当者がぶつくさ言いながらも待っていた。明日は帰国するので、彼をうちまで送ってお礼をいって別れた。どちらもけががなかったのが幸いといわざるをえない。全部仕事は終わった後だった。そんなものだ・・・。
らくだは砂漠があるかぎり、家畜として役割を続けるのだろう。
ではろばはどうするのだろうか。
今、道路は車とろばの馬車(ろばの車)は同格である。右側通行で右側から進行する車が優先権を持っている。3すくみの状態が起こる。これはとても難しい。ヒューマンエラーを信じないルールのようだ。ろばは路上で車と同じように安全に動いている。ろば専用道路というものをつくるのだろうか。いずれなくなるというのが実態だろう。
でもまだ私はこの社会をよく知らない。だからろばの車がこれからどうなるのか、注目している。同様に砂漠のらくだも砂漠仕様のニューモデルのランクルに制覇されるのだろうか。車も自然に還るリサイクルが実現すれば可能かもしれない。もちろん、その需要があればの話であるが・・・。
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